(分科会参加レポート)
第1分科会(稲沢支部)
事務職員が生き生きと学校経営に参画できる環境づくり
稲沢支部では、平成14年度から「事務職員が生き生きと学校経営に参画できる環境づくり」をテーマとし、「子どもたちが豊かに育つために求められる事務職員の役割」を考えるための研究に取り組んでいます。
今、事務職員に求められていることは「子どもたちのために何ができるか」ではないだろうか、そのためには「地域との連携を図り、教育に関わるという意識を強く持ち、従来の事務を改善する必要がある」という理念の基に、提案がなされました。 地域、保護者のニーズである学習環境の充実のためにできることの一つとして「教員の負担軽減化」が挙げられ、そして負担軽減化の取り組みとして「事務の標準化による負担軽減」についての説明がなされました。
ここでいう標準化とは、標準的職務の「標準化」とは意味合いが異なり、事務処理方法の違いから発生する「学校ごとのバラツキ」をなくすことだそうです。どの学校でも一定レベル以上の事務機能の提供ができる環境を整備することにより、学校経営が安定したものとなり、それが事務部の強化につながります。標準化の例として学校徴収金が示されました。
「子どもたちの豊かな成長」のために保護者と連携し、教育環境の整備を行う必要があります。また学校経営上的確な助言をするためにも、保護者のニーズをつかむ必要があります。保護者に向けた情報の受発信の取り組みとして「学校ガイドブック」を作成し、保護者に配布しました。内容は「学校生活上、知っておいてもらいたい項目」「子どもたちの豊かな成長に寄与してくれる機関等を紹介した項目」「よりよい学校生活を送るうえで必要な事務手続きを紹介した項目」で構成され、稲沢市内共通です。ガイドブックの配布と同時に実施したアンケート結果の紹介もありましたが、この結果を受け、今後はホームページの掲載へも取り組んでいくそうです。
提案の最後は、「私たちはこれまで以上に主体的に『生き生き』と学校経営に参画するべく意識を持ち、また、意識の根底に『保護者・地域住民へのサービス』と『子どもたちのための学校事務』という思いをもって方向性を考え続けるべきだ」と締めくくられました。
提案の後は、名古屋造形芸術短期大学 大橋基博氏を講師として「地域に根ざした学校改革と学校事務職員の役割」というテーマでミニ講演が行われました。タイムリーな話題である教育基本法改定論議への考え方なども示され、示唆に富む講演でした。さらに講演の後には、ガイドブックの実践、事務職員の役割、子ども・保護者にむけての取り組みについて、助言者である稲沢市立稲沢北小学校 校長 青井博氏を中心に意見交流が行われました。