(分科会参加レポート)
第2分科会(研究部)
計画(PLAN)から実践(DO)へ
- 新章「これからの学校事務」 -
第2分科会は、「愛知における学校事務のグランドデザイン」(以下「GD」)の実現に向けて、これからの学校事務職員のあり方を考え、より安定した質の高い学校事務を展開していくための方策について研究協議を行いました。
◇ 提案の概要(以下の3部構成での提案)
提案1:「GD」の構築に向けて、?これからの学校事務職員の職務と役割と、?その実現にむけたアクションプラン(5つの戦略と8つの実行策)についての提案
提案2:行財政面からの学校経営への参画を果たす方策として、また各学校間で安定した質の高い事務を提供するための方策として、さらに今後増加が予測される初任者・少経験者の育成の方策として、「学校事務の組織化(学校間連携を支える学校事務の組織化・共同実施の推進)」についての提案
提案3:これからの学校づくりに向けて事務職員の新しい役割として県事研が提唱している「3tor(スリーター)」という3つの役割、「アドミニストレーター」(行財政面での校内管理者)、「コーディネーター」(調整者)、「ファシリテーター」(協働促進者)を担うため、4つの実践事例を通して、学校経営参画に向けた具体的な方策について提案しました。
◇ パネルディスカッション
京都産業大学文化学部教授 西川信廣氏、全国公立小中学校事務職員研究会会長 檜山幸子氏、豊橋市教育委員会教育部総務課事務指導主事 小林雅代氏の3氏をパネリストに迎え、「PLAN(計画)からDO(実践)」へ「学校間連携」を具体的な実践の手だてとして、今後の学校事務の具体的な展開に向けて考えました。
中でも、
(1) 3torの役割を通して学校事務という教育行政サービスを高度化していくという県事研の研究の方向性や志は高く評価できること。
(2) どこの学校でも安定し質の高い学校事務を展開していくためには、学校間連携を支える学校事務の組織化(共同実施、責任と権限の明確化等)は避けて通れないこと。
(3) 実践・実績を重ねることが事務職員としての専門性の確立につながること。
また、県事研研究部の役割としては、「それぞれが実践を重ねていく中で方向性を見失いかけた時、進むべき方向を示す北極星のように全体を方向づけていく使命」があること等々、様々な角度から具体的な実践に向けてのご助言をいただきました。
グランドデザインの理念の具体化は、すぐにできることばかりではありません。しかし、一人でできないことを組織(チーム)として地域全体で行っていくことで、開かれた学校経営や運営に必要とされる学校事務の可能性を拡げていくことができると思います。
参加者の方々が少しずつでも確実に一歩を踏み出すために、今までの自分自身を振り返りこれからの学校事務を担っていくためにどう実践していけばよいのか? 今回の分科会が新しい学校事務のあり方を改めて考えるよい機会になったことを期待します。