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第4分科会(海部支部)

『学校クリエイティブ集団 「ジムコ」!』 
-  新しい学校間連携の形を探る -

 第4分科会では、各学校での実践に向けた取り組みを具体的にサポートするという新しい連携の形についての発表がなされました。

一人職場である事務職員にとって学校で実践したいことがあってもいろいろな障害によってなかなか実践に移せないことがあります。それを解決するために各学校での実践を具体的にサポートする連携組織として「ジムコ」が考え出されたことが、研究の目的として説明されました。
続いて、その連携組織「ジムコ」が行った連携の形である3つの実践が紹介されました。

1つ目は「事務職員との連携」です。これはある事務職員が連携組織のサポートをうけて、子どもたちが自ら学校図書を選ぶという方法を職員会で提案し、実践されたというものです。事務職員がこういった方法で学校経営に貢献できることには驚かされました。

2つ目は「地教委との連携」です。これは地教委と連携して、情報管理を進めるという内容です。個人情報ガイドブックが初任研で活用されたり、セキュリティポリシーの作成に協力したりと、連携することで学校現場の要望を取り入れた情報管理が進められたことがわかりました。

3つ目は「事務職員部会との連携」です。これはある事務職員部会と協力して、町共通の学校ガイドブックを作成するという内容です。事務職員部会が行う実践に対して、企画や工程を考えたり、時には作業をサポートするなど作成までの過程が説明されました。

後半は、実践の中から見えてきた課題や問題点、これからの展望などがあげられ、現段階では、実践が特定の学校などに限定され、実践した効果が広がらないため、今後は実践したことを波及させる体制を作ることなどが課題としてあげられていました。

 その後の質疑応答では、助言者のNPO法人・上越地域学校教育支援センター理事の曽田氏も交え、話し合いが行われました。実践で苦労した点についての質問が寄せられました。曽田氏からも苦労した点などのプロセスを明らかにしていくことが重要との助言が出されました。
最後に、曽田氏より。上越での活動の紹介も交えた助言をいただきました。特に、対価を得ることが重要という話には驚かされましたが、楽をさせるために、実践をしたのではないのだから、負担が浮いた分を他に還元しなさいという考え方には教員の負担軽減について考える上で参考になりました。

この分科会に参加して、個々に応じた支援を行う連携をしていくことが学校事務の可能性を広げることがわかりました。また、分科会場の後方には、資料コーナーが設けられ、紹介された3つの実践資料だけでなく、それ以外に行った実践資料も展示され、個々に応じた支援を望む声が多いこともわかりました。そういった声に応える連携も必要なのだと感じました。