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令和3年度 事業計画

 令和元年度末からの未曾有のコロナ禍の中、制約された生活が強いられ、さまざまなことが今まで通りできない状況が続いています。この状況は当面の間続くと思われます。一方、このコロナ禍の中で、新たな視点からの工夫や努力がありました。これらを貴重な経験と捉え、アフターコロナを見据えた「新しい生活」を、価値あるものにしていく必要があります。

このような状況の中で、小学校では令和2年度から、中学校では令和3年度から、新しい学習指導要領が全面実施されています。どのような状況の中でも、私たちは子どもたちの学びの支援、学びの保障をしていかなくてはなりません。その実現のために、平成29年に学校教育関連法が改正されました。学校事務職員が「事務をつかさどる」立場に規定されたこと、「共同学校事務室」が法律上明記されたことは、この新しい学習指導要領の実現のために、学校の指導・運営体制を強化し、地域との連携・協働を含めた学校運営の改善を図ることにより、複雑化・困難化する諸課題に対応する学校の機能強化を推進することを目的としています。

また、平成31年1月中央教育審議会において「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」が出され、学校や教員・事務職員等の標準的職務の明確化についての言及がありました。それに基づいて令和2年7月に文部科学省から「標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等について」が、教員・事務職員それぞれについて作成され、通知されました。ここに挙げられている職務は、まさに「事務をつかさどる」ことであると言えます。今後この通知をもとに、各市町村教育委員会において関係規定等の整備がなされていくことになりますが、県事研が策定している学校事務のグランドデザイン「あい・学校スマイルプラン」で示している、目指す学校事務職員像・共同学校事務室像を実現させていくためのチャンスと捉え、支部・市町村・会員の積極的な取り組みが進められるよう、県事研として支援をしていきたいと考えています。

愛知県においては、令和3年2月に「あいちの教育ビジョン2025-第四次愛知県教育振興基本計画-」(以下「あいちの教育ビジョン2025」)が策定されました。この基本計画は、AIやIoT、ロボット工学などの技術革新の加速度的な進展や少子高齢化の進行、外国人児童生徒の増加などの社会情勢の大きな変化や、地震や豪雨などの大規模災害に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大が学校における教育活動に及ぼしている大きな影響、また教育のデジタル化や「学校の新しい生活様式」に対応した教育環境への対応など、教育の在り方が大きく変わろうとしている背景を念頭に、今までの教育振興基本計画の基本理念を継承しつつ、時代の状況や社会の変化に伴う、新たな課題や今後育むことが求められる資質・能力などを踏まえて、本県の今後の教育への取り組みの方向性を示すために策定されました。この計画の具現化のために、私たち学校事務職員も教育に携わる者としてたゆまぬ努力をしていかなくてはなりません。

県事研は、こうした学校教育に関わる動きを踏まえ、スマイルプランのミッションである「教職員や地域の人々とともに子どもたちの笑顔あふれる学校づくりを進める」を目指し、引き続き取り組みを進めます。そのために、スマイルプランで掲げた「チームとしての学校づくり」、「地域とともにある学校づくり」、「学校づくりを推進する共同実施」の3つの重点目標の実現を目指し、「組織」「人」「地域」を柱に、「学校組織運営(マネジメント)」「事務職員制度」「キャリア・研修制度」「地域連携・協働」「包括的情報戦略」の5つの戦略について、実行可能なアプローチを考え、具体的な展開・推進を図っていきます。

子どもたちの学びの支援、学校づくりのために県事研は何ができるか、学校や学校事務職員などにどう支援していけるかを念頭に、引き続き研究を進めていきます。

特に今年度は、ふだんの事業展開に絡めて、以下の点について重点的に取り組みを進めます。

 

1 喫緊の課題

 喫緊の課題として、次の2点をあげます。

①文科省通知「事務職員の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について」にある標準的職務例の具現化

「新しい学習指導要領の実施」と「学校における働き方改革に関する総合的な方策」にあわせて、学校事務職員の校務運営への参画の一層の拡大とより主体的・積極的な参画が求められています。現状の役割を抱えたうえで、どのように拡大していけるのかを検討する必要があります。

②コロナ禍の中での子どもたちの学びの支援

コロナ禍が続く中、事務職員の立場から、どのように子どもたちの学びの支援ができるか考えて実行する必要があります。

 

2 課題解決に向けて

 課題の解決のために、現在推進している研究・事業に絡めて考えを整理し、各地区での実践推進の一助となるよう発信していきます。具体的な研究・実践に結び付けることを念頭に、県事研総体として取り組むとともに、出来るところから少しでも研究・実践を進めます。

特に標準職務については、学校事務職員の標準職務とされる意味合いや今の仕事との関わり、共同学校事務室の役割、具体的な取り組み例、求められる職責に見合う資質、人財育成、情報の共有と発信などについて、整理・研究を進めます。

コロナ禍の中での子どもたちの学びの支援については、考えうる方策について、少しでもできることから取り組んでいきます。

①標準職務実践への条件整備のための手立てを講じます。

・研究開発部を中心に研究を推進します。

情勢を見極めつつ、今・今後必要な事柄について具体的に研究を進めます。

・研究開発部と事務局を中心に、全部局で実践推進のための手立てを講じます。

研究や研究会活動を進めていく中で得られた実践例や成果などについて、紹介をしていきます。

・研修企画部を中心に、職務や業務・役割に応じた実践を裏打ちする研修体系の構築に取り組みます。また県教委、県総合教育センター等と望ましい研修について検討を進めます。

・役員会、理事会、事務局を中心に、県教委、県校長会等の教育関係機関への働きかけを図ります。

各地区で関係規定等の整備が進むよう、後ろ盾となる条件整備のための働きかけを行います。

②情報活用のための手立てを講じます。

・情報収集のしくみを探求します。

基礎調査等の各種調査や緊急に必要な調査の効率的な集約方法を探求します。また、管理規則改正等、県内外の状況を情報収集します。

・収集した情報を有効に活用するためのしくみを構築します。

ナレッジサイトの有効な活用方法を探求します。また、収集した情報を加工し、会員・支部・市町村や教育関係機関に効果的に情報提供できるしくみの構築を目指します。

・GIGAスクール構想に基づく教育のICT化の支援やコロナ対策を踏まえた教育環境の整備状況など、県内・県外の情報を収集し、県内の学校事務職員が活用できるように取り組んでいきます。

③喫緊の課題にも対応できるよう、県事研組織の適正化を目指します。

・コロナ禍での活動経験を生かし、県事研の組織・事業を見直します。

前例にとらわれることなく、しかし本質は見失わず、合理化・簡素化・重点化を図り、県事研事業の改革を進めます。

コロナ禍の中においても、学校における働き方改革やチームとしての学校、地域とともにある学校づくりを進めなければならないこの変革期をチャンスと捉え、学校内外全体を見渡せる強みを生かして事務職員一人一人が各学校現場で欠かせない戦力として力を発揮していける、まさに「事務をつかさどる」者となるよう、県事研として支援できる体制を構築していきます。