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(分科会参加レポート)

第4分科会(一宮支部) 

「元気が出る学校であるために」

 - 保護者・地域との信頼関係構築にむけた学校広報 - 

 

 保護者や地域住民から学校経営改善に活かす学校評価を得るために、正確な学校情報の提供が必要であるという視点で学校広報を研究した発表がなされました。
 

最初にこの研究の目的が説明され、その後、助言者である国際大学グローバルコミュニケーション・センター准教授の豊福晋平氏より学校広報についてより理解を深めるための話がありました。学校広報とは、児童生徒の個人情報以外の全てであり、学校の情報は何も隠してはいけない。広報と評価は学校の組織マネジメントにおいて重要で、保護者や地域住民と信頼関係を作るには日常的に学校の情報を伝えることが必要といった話でした。
 

続いて、学校広報を充実させるための実践として、学校ガイド見本の作成、ホームページの活用、学校広報のガイドライン案の作成という3つの取り組みが紹介されました。
 

 まず、学校ガイド見本の作成について。学校ガイドとは学校について分からないことだらけの保護者の不安を解消するために、保護者が知りたいと予測される学校の様々な情報が載っているもので、各学校がゼロからガイドを作成するのは大変な労力なので、市内統一の見本を作成したとのことです。保護者が何か分からないことがあって困ったときにまず学校に電話で問い合わせるのではなく、ガイドを参照してもらうようにすれば、職員が応対することも減り、子どもに接する時間が増えるのではないかといった効果も期待しているようです。
 

 次にホームページの作成について。一宮市の学校ホームページは全国的に見ても誇れるほど内容が充実しているそうです。CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入することでサイトの更新とその更新にかかる承認が非常に簡単になり、多くの教職員で更新作業が回せるようになったということでした。1日1回の更新は当たり前で、1日に2回3回と更新する学校もあるとのことで、その取り組みの熱心さには驚かされました。
 

 3つ目の学校広報のガイドライン案の作成については、信頼される学校づくりのために、学校と保護者や地域の相互の連携・協力がより深まるように一宮市としての学校広報のガイドラインの案を作成するという取り組みの報告でした。まだ内容については調整・検討を進めている段階で、今後、市教育委員会とともに研究を進めていくということでした。
 

 後半の討議の中では、助言者の豊福氏より、広報が充実してきても、よい評価をもらうためにはさらにステップアップが必要で、広報した情報を再編集して、建設的意見をもらうための補助資料(エクゼクティブサマリー)を作成する「戦略的広報」が必要であり、次の一宮のチャレンジはここにあるという話がありました。
 

 この分科会に参加して、保護者や地域住民と連携を強化し、信頼される学校となるためには、学校広報の充実は絶対に欠かせないものということが良く分かりました。一宮支部の学校広報についての実践は他地区も見習うべき点が多いのではと感じました。